角を曲がったと、思うと屋根の上に飛んだ。


 一瞬目が合う。


 美夜ちゃんはあっという間に屋根伝いに去ってしまった。



 瞳には、様々な感情がない混ぜになっていた。


 哀しみと、寂しさと、憎しみと、恐怖と。


 助けてって、言ってるようだった。



 僕は真上に浮かぶ、欠けていない満月を見る。


 君は何者なの?


 14歳とは思えない強さ、儚さ。


 沢山の人を殺してきた。


 まだ僕達に、話してない過去あるよね。


 一人でかかえ込まないで。


 もっと、頼ってよ。



 信じてよ。




〜end〜