私の全てが完璧だった頃、私の何もかもが成功していた。

-あの時までは


私の家族は皆に羨ましく思われるほどの仲の良さだった。
なのに私が15の時、初めて父親に教えられた。
「祥那、実はお父さんな、前に違う人と結婚しててな。祥那は悠真と血がつな がってないねん」
「えっ?父さん、それどうゆう意味…」
「祥那が生まれて直ぐに離婚をしたん。それで今の母親と結婚したんや」
「じゃあ、母さんは私の母さんじゃないの?」
11月になろうとしていた今日の夕方。肌寒くて変な気分になる。

私の名前は小野木 祥那(おのき しょうな)中部第三高校の3年だ。
そして兄の樹(たつき)と妹の悠真(はるま)がいる。
あの頃は本当の家族だと思っていた。きっと兄も話さないことにしていたんだろう。
事を考えているとあっという間に教室の前までたどり着き、ドアを開けた。
クラスの雰囲気も良く悪くわなかった。
でも一つだけいうとしたら私は「仲がいい」という言葉が大嫌いだ。
あの時を思い出しそうで…………心が痛くなる。
そんな私にも友達はいる。いつも一緒にいてくれるミナノやカノン。
支えてくれる学級委員長にただの友達の裕一郎。
彼はいつも笑顔で人を笑わせかなりモテる。