「陽菜、早くしろよ。遅刻するぞ!」
「たっちゃん、待ってー!」


「よし、完璧!」
鏡で髪を整えた私。

私の名前は朝野陽菜。
急いで部屋の階段を駆け下りた。

「ゴメーン、たっちゃん。」
「遅い!」

玄関で私を待っていた幼馴染みのたっちゃんこと、青山樹。

「毎日毎日、一体何時に寝てるんだ?」
「えーっと、9時ぐらい?」
「俺より早いじゃねーか。ったく、時間ねーからもう行くぞ。」

たっちゃんと私は家が隣同士。赤ちゃんの時から一緒だった。
高校生になった私達は幼稚園の時から一緒に学校へ行っている。

「ほんとに時間がやばいぞ!陽菜、走るぞ!」
「えー!しんどいよ・・・。」
「オメーのせいだろ、ほら行くぞ。」

と手を掴まれた。

「準備はいいか?」
「仕方ないな。明日は絶対は走らない。」
「それ、2341回目。」
「・・・。」
「いい加減、実現しろよ。」
といったあと、手を繋がれた。

ドキッ

「・・・。」
「よし、いくぞー」

初夏の太陽の光を浴びながら、私達は走りだした。

私には誰にも明かしていないことがある。

それは、