『用件は何スか?
まぁ、あの転校生に関しての話だろうけど』


「…わかってんじゃん」


『少しだけなら帰りに転校生から聞いたスよ。
キク、須藤が好きだって言ったそうスね』


「…言ったよ。
だって本当のことじゃん、全部」


『……なぁキク』


「何?」


『今から、会えないスかね?』


「今!?
何時だかわかっているのか!?
下手したら補導されるぞ?」


『大丈夫。
この辺は警察とか少ないスから。

…面と向かって話したいんだけど』





ホクの口調がガラリと変わる。

…コイツが真剣な話をする時、いつもの特徴ある話し方が、年相応の話し方に変わる。

オレは知っているから、溜息をついた。





「良いよ。
しょうがねぇな。

会う場所は、いつもの所で良いか?」


『構わない。
じゃあ10分後に』




ブツッと一方的に電話が切られる。

…相変わらずマイペースな野郎だ。