☆菊人side☆
風呂上がり、髪の毛をバスタオルで拭きながら、オレはある人物へ電話をかけた。
現在の時刻は夜11時過ぎ。
大抵の人は寝ている時間だろうけど、絶対にアイツは起きている。
『……何スか?』
昼間よりも少しだけ明るい声が電話口から聞こえてきた。
コイツ、絶対に昼夜逆転しているだろう。
「起きてたか?」
『だから何スか?』
「今平気?」
『さっさと要件済ませろ』
「…ホク、今絶対漫画とか読んでいるだろ」
『だから何だって言うんスか?』
「ホクの声不機嫌だし。
今良い所で、オレが邪魔したんだろ?」
『……よくわかっているスね』
クスクスと明るい笑い声が聞こえる。
オレが電話をかけたある人物―――如月北斗は、夜中こうして遅くまで起きながら漫画や小説を読んだり、宿題を済ませることが多い。
帰ってすぐ済ませれば、夜寝て朝起きること出来るのによ。