「今日はご馳走様でした。
ありがとうございます」
お鍋の中からすき焼きが消え、喜多さんがお礼を言う。
やっぱり礼儀正しいなぁ。
「もう少しゆっくりしていってください。
もし気になるのなら、美空に何でも聞いてあげてくださいね」
そう言うと母さんと父さんはリビングを出て行き、リビング内にあたしと如月、喜多さんだけになった。
「そうだ北斗。
お前は先に帰っていなさい」
「は?」
「帰ったらお風呂に入りたいから。
帰って沸かしておいてくれないか?」
「…別に良いスけど。
じいちゃん、変なこと転校生に言わないでくれよな?」
「わかっているって。安心しろ」
「……じゃあ、お邪魔しました」
喜多さんとは違い、如月はあんまりしっかりしていないようだ。
如月が出て行くと、喜多さんがあたしを見てにっこり笑った。
「北斗、何か色々とご迷惑をおかけしていませんか?」