「逆……?」
「ええ。
北斗が他人を送るのは珍しいですから。
てっきり彼女だと思ったのですよ」
逆だったの?
じゃあどうして来てくれたの?
「…変わったな、お前も」
「…………」
如月は何も言わず、母さんが持ってきた夕食であるすき焼きのお肉を食べていた。
他人の家だというのに、溶け込むの早いなコイツ。
「まあこれからもご迷惑をおかけすると思いますが、よろしくお願いしますね」
「あ、はい」
「それじゃあわたしも、頂くとしますか」
…何だか不思議な、お祖父ちゃんとお孫さんだなぁ。
祖父と孫って関係より、兄と弟って感じ。
「あたしも食べようっと」
あたしは思い切り、お肉に齧りついた。