「いえいえ、構いませんよ。
困った時はお互い様ですから。
こちらこそ、ご夕食に誘っていただきありがとうございます」
にっこり笑う喜多さん。
…孫との差は何だ。
こんな紳士な方の孫が如月って…信じられない。
「そういえば美空さん。
1つ聞いてもよろしいですか?」
「あ、はい。何ですか?」
「北斗の、彼女さんですか?」
「はっ!?」
思わず敬語を忘れて叫ぶ。
「んなわけないじゃないですか!
如月くんとはただの…クラスメイト、です」
「そうだよじーちゃん。
何言っているんだよ…」
喜多さんの隣で不満そうな顔をしている如月も、同じく否定する。
「そうでしたか、失礼しました。
先ほど一緒に帰っていたので、驚いたのですよ。
家は西川さんの家と逆方向ですから……」
……は?