廊下はあんまり広くないので、ふたり並べば向こうから来る人とすれ違えない。

なので自然と、前にふたり、後ろにふたりとなる。

あたしたちの場合は、前にきーくんと真帆、後ろにあたしと如月となった。




「…………」



前に並んで歩く、美男美女のきーくんと真帆。

積極的な真帆が色々話していて、きーくんは笑いながら話を聞いていた。

…やっぱりお似合いだな、あのふたりは。




「転校生、さっきのは失言だと思うスよ」


「え?」




教室を出てから今まで話さず、欠伸を噛み殺してばかりいた如月が話した。

声を聞くのは、朝のホームルーム前以来。




「須藤は、クラスで友達いないんスから」




少し声を静め、如月が呟く。

前に歩いているふたりには聞こえていないようで、お喋りを続けている。




「……え?」



真帆に、友達がいない?

あんなに明るくて可愛いのに?




「須藤って同性から見ると、どう思うスか?」


「どうって……」