「はよ」
「……ん」
如月が隣に鞄を置いて、それに気が付いたきーくんが挨拶をしたから。
…仲良いんだな、このふたり。
「で?
どうしたんだ?美空」
「……な、何でもない」
目線を本に戻し、首を振る。
…タイミング、逃がしちゃったかも。
「真帆のこと、何か聞きたいのか?」
「…昨日きーくんとふたりして一緒に帰ったから。
仲良いんだね!」
「あー、まあね。
向こうから積極的に話しかけてくれる。
真帆、結構良い子だから、美空とも仲良くなれると思うよ」
「そうだね!
実は朝も会ったんだ。
もっと仲良くなれるよう頑張る!」
頑張って笑った所で、先生が来た。
席が離れているきーくんは、自分の席へ帰って行った。
…タイミング、逃しちゃったけど。
聞かない方が、良かったかも。
好きだなんて言われたら、嫌だから。
あたしの気持ちは、どこへ行けば良いの…?