「おい、梨沙 」

「圭太、なに?」

「先生が呼んでたぞ」

「そう、わかった。」

私と圭太は幼なじみ。

仲が悪そうに見えるけど…

私は圭太がスキなんだよね。

小さい頃はよく遊んでたし…

「けーちゃん!」

「りーちゃん なぁに?」

「りさ けーちゃんと けっこんする!」

「りーちゃんは僕の お嫁さんだね!」

「ほんと?約束だよ?」

「ゆーびきり げんまん 嘘ついたら
針千本 のーます 指切った!」

と小さい頃の可愛らしい思い出がある…

あの約束 覚えてるのかな。

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放課後。

先生の話長すぎだよーっ!

…!!!

教室に 圭太がいた。

どうしよ。
話しかけようか…

幼なじみ なんだし!
普通にしよう!

ドアに手をかけた瞬間。

見てしまった…


圭太が 学年1可愛いと 言われる女の子の席に何かを入れる瞬間を…。

––ガラガラ
圭太が出てきた。
「え、梨沙⁈」

「あ、圭太…。なにしてんの?」

「…いや、ちょっと ///」

あー、もぉ失恋だ…
なに顔赤くしてんのよ、このバカ圭太。

「ラブレターでも入れてきたの?笑」

「な⁈見てたのかよ ///」

「圭太 って あの子の事 好きだったんだね
もぉ、言ってくれたら協力したのに!」

驚いた顔して圭太が見てきた。

「え、お前 なに 泣いてんの?」

…へ?

泣いてる訳……

「や、最近 目がおかしくて…笑
ぢゃ、私用事あるから!」
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全力で走った。

何も考えなくていいように、

圭太の事考えないように。

…この17年間はなんなのよ。

「ゔ、うぅ…」

「けいたぁ。 けいた…」

ぐいっ

誰かに引っ張られた。

ーーえ、圭太?

「何で泣いてんの?お姉さん」

「俺らと遊んだら 楽しくなるぜ?笑」

…圭太ぢゃない。

いや、離して…

「や、やだぁ!圭太 圭太 !」

ぐいっ

今度は強く誰かに引かれた。

「りーちゃんは 俺の お嫁さんだから。」

…この声 このセリフ。

あぁ、圭太 覚えてくれてた。

ナンパ男達を追い払い近くの公園にきた。

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「ごめんな。」

「ううん。覚えてくれて嬉しかった。
でも小さい頃の約束だから無効でいいよ。」

「…え?」

「あの子の事好きなんでしょ?
だから、気にしなくていいよ!」

圭太に言われるくらいなら自分から…

と思ってたけど結構ツライ。

「ちがう。 好きじゃない」

ぼそりと圭太が呟いた。

「席間違えた だけなんだ。」

「…へ⁈ どうゆうこと?」

「……あ、あれはお前に渡す手紙なんだ。」

––もぉ泣かないように我慢してたのに。

「梨沙が 好きだ。」

私は声が出ないほど泣いてたから必死に頷いた。

「俺のお嫁さんなるんだろ?」

「私がお嫁さんでいいの?」

「当たり前だ 笑」

『大好き』