「と、ここだよ。どうぞ。」
開かれた扉。
私の目に飛び込んできたのは豪華な料理と…
背中をむけている男の人。
「どうも。」
私ではなく和葉がそう言うと、男もどうもと言ってこちらを振り向いた。
私は目を見開く。
「な、なんで…?」
「へー葵のお見合い相手はあんたか。」
「あれ?2人とも知り合い?」
「ちょっと!なんであんたがここに…」
「友人。俺と直人は友達。」
ニッコニコしながら言うこの男、同じクラスの合田夏樹。
「そう。ナツは俺の幼なじみなんだ。ちなみに隣はナツの家。」
「葵見た?隣もここと同等な家よ。」
「見たわよ。なんかムカつく。」
言いながら合田くんを睨む。
「じゃあ、俺らは抜けるんで。後は若いもの同士仲良く。」
そう言って直人さんは和葉の手を掴む。
「おう。任しとけ。」
「じゃーねー葵。」
そして2人は出て行った。