相思相愛かよ。
面白くねえ。



でも、祐介のいうことも分かる。


漸もカッコイイよ。



「なあ、奏」



「ん?」



「ちょっと来て」



部屋の留守を夏輝と宗に頼み、漸とあたしで部屋を出る。



倉庫の屋根に寝っ転がると、


「俺、奏のこと好きだ」



「………え?」



「豪さんって人に殺されるかもだけど言っとく。」


真顔で空を見上げる漸。




「豪さんが、眠ってる間だけでもいい。俺らのこともっと頼って、甘えろな。」



「うん。」



「俺らんなかでも、1番お前のこと好きなの俺だから。」



「うん。」



「図体ばっかデカくて馬鹿だけど、好きだから。だから、いなくなんなよ。」




切ない顔でそう言った漸はまだ、何かを抱えてるみたいで。



「いなくならないよ。漸も、いなくなんないで。笑ってて」



「ん。」



あたしは満面の笑みで答えた。



「じゃあ、戻るか。今度は俺殺される。」


「あははっ。じゃ、行こっか。」