ギュッ



「大丈夫。豪って人、奏のことベタ惚れなんだろ?だったら、戻ってくるよ。じゃなきゃ、俺が奪うもん。」



「そんなことしたら、豪に殺されるよ?」


「ふははっ。だったら、豪さんに言っとけ。起きねえと奏とられるぞーって。絶対跳ね起きるだろ。」



「かも。」



漸はあたしを抱きしめてくれた。



頭を撫でようとして、途中でやめたの、あたしには見えた。



『頭触られるの嫌いなの』



前に行ったこと覚えててくれたんだ。


鳳龍のみんな優しいけど、多分、漸が一番優しい。


馬鹿だけどね。


1番人の痛み分かってる。