「俺さ、父親人殺しててさ」


………え。



「借金取り、刺して殺した。」



パンを食べ進めながら、真顔で言う。




「で、小中でイジメられてた。ほら、俺今じゃデカいけど、昔モヤシみたいでさ。」



いじめがいがあったみたいでさ。

なんて、笑った。


ほら、と肩あたりを
服をずらして見せてくれた。


ポツポツとついた火傷。


タバコを押し付けた跡。



「でも、中2のとき、祐介が転校してきて、助けてくれて。すげーカッコイイ奴だなーって憧れて。んで、祐介と族やりだして、翼龍追ってさ。気づいたら祐介よりデカくなってた。」



180越してるもんね。



「そんな感じかなー。結構だせえだろ?」


そんな自分の弱いところ、人に言えるの凄いよ。



「ダサくないよ全然。むしろカッコイイ。」


「………」



「そんな大変だったことサラッと言えてさ、凄いことなのに、謙遜できてさ。凄いよ。」