……


『おおおぉおおぉーーーい!!!
また、勝手に突っ走って路地裏行ったんだって相手はなにも持ってなかったからいいものの
銃や鎌とか持ってたらどうするのぉ!』

少し…いやすごくケバいおばさんが言葉をまくし立てる。

『はーいはーい。
わかってるよ。でもたとえ鎌とか持ってたっも持ってるわけないけどさ、私は負けるつもりなんてこれっぽっちもないんだけど?』


自信満々に言葉を発していく。

『本当に自信だけはいっちょ前で
あっしの育て方が間違ってたのかね。』


そのあともたくさんいろんなことを言われたが
心配されているということは分かっていたので、ありがとうと言い二階にあがった。


………

この暴力少女…いや女の子には親がいない
物心つく頃にはもう親の記憶はなくこのケバいおばさん、(りりなおばさんと言いなさいと言われていたが小さい頃に言ったきり全く言わなくなった)のもとで暮らしていた。

それほど苦労もしていないし少女も親を探そうとかもっと詳しく聞こうなんて思いもしなかった。

そんなことを探していても、なんの得にもならないということは知っていたから。

さすがに仕事をちゃんと探さなくてはとは思ってはいたが…。


さっきの路地裏での逮捕もれっきとしたバイトだ
給料は手柄の分だけもらえるが…。
もし捕まえられなかった月にはいろいろと厳しいことになる。


手錠は渡すからあとは犯人捕まえといてー、みたいな適当かげんだ。

腕に自信のある輩が寄ってたかって犯人を捕まえに行こうとする。
返り討ちにあったりで、この世を終えてしまう奴も少なくはない。


風花もその1人であった。幼い頃危ないからと習わされた護身術が今になって役に立つとは思わないであろう。

あんなに嫌々やっていたのにここまで出来るようになるとはやっておいてよかったなと思う風花であったが。
もう二度とあんな辛い場面はごめんだらとも思っていた。