私たちが生まれたのは自然がとっても綺麗なところ、でも治安が悪かったわけで…。


『さっきから逃げまどってるけど、全然逃げれてないよ?? 
ってか飽きた。早く終わらせようよ』



少女が放った声には圧倒的な威圧感をはらんでいて、どうもがいても逃げられなかった。

「ゆ、許してくださいよ。
べ、別に普段から盗みなんてやってないし
本当に信じてくださいよ」

変に低い声が耳を不愉快にさせる。
おとこは通じたとでも思ったのかさらに続ける

『ぼ、僕の先輩はお前なんかすぐに殺しますよ?』

少女は微動だにせずに路地裏に立っていた。

『なに言ってるのかわからない。
その先輩方にお目にかかりたいね
とりあえず警察行こう』

少女の斜めがけのバックのポケットからでてきたものは手錠だった。

それをなれた手つきで男の手にはめると
言葉を発した。

『私はあんたみたいな人に寄生するような人間は嫌いなんだって
どうあがいても私からは逃げられないよ』