まぁこうして俺は、なわば一方的ではあるが、恭とつるむ事になった。


初めは、少しの……いや、かなりの下心によるものだったけど、つるんでる内にそんなに悪い奴じゃないと思えるようになったんだ。


相変わらず口は悪いし、態度もでかいけど、徐々に俺に対する警戒心も和らいでいって、冗談言い合える位になっていった。


俺は恭に散々拒否られながらも喧嘩に加勢したりなんかもして、完全負け知らず。


俺達は最強だった。



俺らのサボリに気付いた先公達から一緒に逃げ回ったり、先公達の目を掻い潜って学校を抜け出したり、バカみたいに俺らに出し抜かれる先公を見て、二人でバカ笑いしたり。


そうしてる内に、こいつと居ることが楽しくて仕方ないと思ってる俺が居たんだ。


そして、気付いたらあっという間の一年。


中3の冬……。




「なぁ。恭。」


「なに。」


「いつになったら、風雅の総長に会わせてくれんの?」


俺は相変わらず寝転がりながら、澄んだ冬空を眺めてる。


喋ると息が白い。


地面に触れている背中は、厚着をしていてもじんわりと冷たくなってくる。


恭は、読んでいた本から視線を移し、呆れた顔で俺を見る。


「まだ、んなこと言ってんのかよ。いい加減諦めろよ。」


「諦められるかよ。
もう直ぐ高校生だぞ?俺は早く暴走族になりてぇんだ。」