妖しさを秘めたその表情に、思わずゴクリと唾を飲み込む。
「あいつらはな、暴走族って奴だよ。
俺を族に引き込みたいんだと。
ふざけんなよな?誰があんなお仲間ごっこするかっつの。」
「……暴走族?それって、まさか……風雅!?」
恭は驚いた顔をする。
「マジかよっ!風雅なのかっ!?お前すげぇじゃん!!あの族はレベルが違うんだぞ!!総長なんか、伝説レベルの強さなんだからなっ!!」
そう恭に詰め寄って、はっと我に返る。
やばっ!
俺、何興奮してんだ!
俺はずっと暴走族に憧れてた。
バイクが好きってのもあったけど、それだけじゃない。
強さ。
自由。
信頼出来る仲間。
全部俺の欲しいモノだ。
その中でも、この地区を牛耳ってる"風雅"という暴走族は憧れその物だった。
活動は常に穏健で完全正統派の暴走族。
だけど、汚い奴等には容赦ない。
総長は伝説レベルで強いし、暴走族の鏡みたいなグループだ。