また、俺はそれからしばらくボーッとしてしまった。

えっと、これからどこへ行こうとしてたんだっけ?あ、そうだ。昼食だ。
どうしよっかな。梨沙を誘おう。

「あの、もし、お邪魔でなければ、これから俺、昼食を食べに行くんだけど、梨沙ちゃんも一緒に行かない?」

「あ、うん。私もこれから昼食を食べようと思ってたの」

「そうなんだ!でも、どこにしようか決まってなくて…」

「あ、だったら高島屋の五右衛門に行こうよ!私、そこ、しょっちゅう行ってるから」

「うん!」

梨沙のオススメの所に行くことにした。

東口から西口の高島屋に向かう。

「そういえば、梨沙ちゃん、柏にはよく来るの?」

「うん!よく来るよ!私、柏で生まれたし、お母さんの実家が隣の流山にあるから里帰りでよく来るの」

「そうなんだ!」

梨沙は柏生まれなんだ!
俺の胸が、また高鳴る。

「中林君は柏ファイヤーズの選手だから、やっぱり柏出身なの?」

「ううん、違うよ。俺は柏ファイヤーズの選手だけど、埼玉県のさいたま市出身」

「え!?さいたま!?さいたまのどこ!?何区!?」

「えっと、さいたまの浦和で、俺の所は緑区だよ」

「わあ、そうなんだね!」

梨沙はパアッと目を輝かせた。

「私、浦和大好きなんだ!よく行くし!」

「そうなんだ!」

俺の出身地を好きだなんて嬉しい!
そして俺はついつい、

「浦和が好きだなんて嬉しいなあ!俺も梨沙ちゃんの柏が大好きだよ!」

と言った。

「ありがとう!」

と梨沙は微笑んだ。

そして、高島屋の中にある五右衛門というところに2人で入り、席に着いた。

俺も梨沙も何故かとても趣味が合って、2人ともアボカドとバジルのスパゲッティーのデザート付きのセットを頼んだ。