『ねぇ、翔太。私そんなに顔に出てた?』
『なんか、顔がウキウキしてた。』
『…今日バイト先行ってみようかなって思ってるの。会いたくて。』
『そっか。…俺もいっていい?』
『へ?別に、いいけど…』
翔太急にどうしたんだろう。
だけど、今の時間からくらいだからちょうどいいよね。
居酒屋について、表から入る。
今日はバイトないからね。
『こんにちは〜。』
『あれ!乃蒼ちゃん!どうしたのー?』
『なんだかみんなに会いたくなって。あと、私の友達がここに来たいって。』
『あ、どうも。』
『え、乃蒼?どしたの?』
『智センパイ。なんか急に来たくなったんです。今日千尋センパイいないんですっけ?』
『…あー、アイツ遅刻。今日なんか寝坊したらしい。』
『…明日バカにしてやろ。あ、迷惑だし、今日はもう帰ります。』
『ねぇ、ソイツは?』
智センパイは、翔太に興味を示したらしく、まじまじと見ている。
『私の親友の翔太です。今日ここに来たいって言ってたんで。』
『そっか。乃蒼、明日遅刻すんなよ。』
『明日智センパイいないじゃないですか。』
なぜかいつもはすぐばいばい、と言う智センパイなのに、今日は長く話をしていた。
『じゃあ、店長、また明日。』
『うん。お疲れ様。』
店を出ると、翔太がふぅっとため息を吐いた。