「い、行くから、鞄、返して」



「え、やだ」



やだじゃねえよ……



「い、いいから返して」



「そうだな、俺の隣座ったら返してあげる」



そう言って、ポンポンと隣の席を叩く。



「ぜ、絶対に、いや!」



「ぐさっ! いたた、嫌とかキツイなー」



そういいながらも、すごく嬉しそうに笑う岡地君。



本当に私といて幸せでいてくれるのだなと、実感した。