「海斗に朱音のこと聞いてみた。すごく褒めてたし、尊敬してるって言ってた。他にも、いろんなことを聞いた。それで、俺は朱音のことが気になってたんだ」



「……え?」



「それから二年生になって、朱音と同じクラスになった。運命だと思った。でも朱音は、女子とばっかり話すし、男子と全然話さないから、話しかけられなかった」



「ちょ、ちょっと、一体、何の話をして……」



「それであの日、俺は朱音が日直で残ってることを知ってて、一人になったタイミングを見計らって話しにいった。正直、心臓が飛び出るかと思った」



「…………」



「話してみたら、最初は全然しゃべってくれなかったけど、でもだんだんしゃべってくれて、普通におもしろくて、たった一週間くらいしか話してないけど、やっぱいいなって思って……」