「あ、ええと、怖い、かな」



「怖い?」



「うん。なんていうか、自分が横に立つと迷惑なんじゃないか、とか、嫌な顔されるんじゃないか、とか。そんなことがきになって怖いっていうか」



「別にそんなことないと思うけど」



「わかってる。私のことなんて誰も見てない。私の自意識過剰なんだってわかってるんだけど、そう思っちゃうって言うか……」



「……朱音、過去になんかあった?」



私は一瞬、体を硬直させた。