そんな事を考えていたら誰かに話かけられた。


「おい、まだ教室にいるつもりなのか?」


大谷君だった。


『あ~…うん、もう帰ろっかな』


「何?考え事?」


『…ちょっとね』


「ふ~ん…あのさ、あいつ……なんか俺の事言ってた?」


『あいつって、優梨?』


大谷君はゆっくりと頷いた。


『…別になんも言ってなかったよ。
でも、泣いてた……』


大谷君は物凄く悲しそうな顔をして


「そっか…
そりゃそうだよな」


と言った。