あの時はあんなにも好きになるなんて思ってなかったのに私の高校生活は見事に先輩でうめ尽くされた。


そんな事を考えていると後ろから肩を叩かれた。


ビクっとしながらゆっくり振り向くと、そこには大好きだった山下先輩が立っていた。


「陽菜ちゃん、卒業おめでとう。
大人っぽくなったね?
俺の事覚えてる?」


あなたは確かにそう言ったんだ。


私は驚いて何も言えなかった。


すると先輩は笑いながら1年前と同じように頭をポンっと叩いて、


「驚きすぎじゃない?
忘れないって言ってたのにもしかして陽菜ちゃん俺の事忘れちゃったの?」


と言った。