矢口は、『如月 雪』のことをまだ語っているが、
僕は聞き流し、彼女を見る。


「~♪」


彼女の声、

正確には笑い声が聴こえて、周りの音が耳に入らない。



ずっと見ていたからだろうか、


ばちっ、


と目が合った。