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「あ〜美味しかった〜!」
「茉莉ほんとよく食べるよな(笑)」
「あははっ
美味しいものには目が無いの!」
「マジで美味かったなぁ」
クレープの感想を述べながら
家までの帰路を歩く。
その時、一匹の子猫が
ふたりの目に止まった。
無残な姿をし、弱々しく歩く姿。
人間に虐められたのだろうか、
はたまた車にでも轢かれたのか、
死んでしまいそうなほど
か弱く歩く猫の姿に息を呑んだ。
「あの子猫....
道路に歩いて行ってない...?」
あたしが拓真に問いかけたその時には
もう時既に遅かった。
傷だらけの子猫は
大通りの車通りが多い道へ
飛び出そうとしていた。
「えっ...あ、おい!!!!!!」
茉莉には考える時間がなかった。
そんな冷静さも忘れていた。
轢かれてしまう...
今度こそあの猫は死んでしまうっ..!
身体が勝手に動いていた。