あれは中学1年の秋口。
ふたりが恋人になって
早半年が経つ。
「拓真っ!
今日クレープ食べに行こうね!!」
「また食べ物ですか(笑)」
「あはははっ
じゃあゲーセンでもいいよ!
拓真といれれはどこでもいい!」
「...照れるから。」
茉莉と拓真は大きな喧嘩をする事なく
ただただ笑っていた。
お互いがお互いの笑顔が大好きで
その表情を見るだけで
未来を明るく照らした。
放課後、ふたりは約束通り
クレープを食べに向かった。
「夏芽も行く?」
と誘われたが
「ふたりで行ってきなさい」
と快く送り出した。
もちろんそれは本心。
少し心寂しい気持ちもあったが
夏芽もまた、ふたりの笑顔が
大好きだったから。