「茉莉!どこ行ってたのよ!
心配したんだからねっ!」


教室に行くと夏芽が
目に涙を溜めてやってきた。


「うわ、ごめんね。
でももう大丈夫だから!」

得意の笑顔で返す。

するとホッと胸を撫で下ろす
夏芽に心底安堵した。


やっぱりあたしの取り柄は
この笑顔だけなんだ。


「ね、夏芽。今日帰りに
新しく出来たカフェ行こうよ!」


あたしは元気だと改めて示すために
そう提案した。


「そうね、行きましょーっ!」

おーっ!と二人で笑いながら
ポーズを取る。


きっと夏芽にはバレている。

あたしと輝に何があったのか。