着いた場所は、the田舎、みたいな、そんなところだった。
車から降りたところは、山の真ん前、だった。
後ろのほうを見た限り、民家や畑からも目線が上だからきっと、後ろの坂道を通ってきたのだろう。それから山のほうを向くと、こう…階段、というのか、ジグザグと山の傾斜にそって段差のある道が続いていて、そこの先には
大きな神社がぽつん、と。
「詩織ちゃん?」
「あ、ごめんなさい」
伯母さんの声で我に返ると、伯母さんはうふふ、と笑った。
「あの神社はねえ、山神様のお家なのよ」
そして、大きな家の戸を思いっきり開けた。
「おとーさーん!!!しおりちゃんきたわよー!!!」
とっても、大きな声だった。
「ねえ!!なんでこんな家が線香くさいの!!お母さんに線香上げるのもいいけど若い子が来るんだから控え……え?これお香なの?でも十分臭いわよ!!」
私が目を白黒させている間に、中へ入って「もう…いろいろ気が利かないわね」なんて呟きながら行ってしまう。
「あ、早く上がって!」
曲がり角から顔だけ出してそういうと、また奥に行ってしまった。