「香澄、私はいつ頃から気づいてしまったかしら。

私と香澄は違うって……」




私はまるで、蛇ににらまれたカエルのように、鏡越しに夏希を見つめ、動けなかった。




「小学生の頃、私は自分と香澄の大きな違いに気づかなかった。

でも、中学生になって、私たちが大人になっていくと、私ははっきりと、自分と香澄が全然違うことに気づいたの。

香澄は、キラキラと輝くお姫さま。

私は、少しも輝くことのないみじめな女の子。

私はこの絶望的な違いを知りながら、ずっと香澄に憧れてた。

私はいつか、香澄になりたいって……。

ねぇ、香澄。

私の夢って、叶うかしら?」




私は背後から聞こえてくる不気味なその声に、ゾッとして体が震えた。




私は、私の背後で、嫉妬に狂った夏希が、じっと私を見つめているのを感じていた。