私は部屋の中でしばらく呆然としていると、下の階から、母の声が聞こえてきた。




「香澄、早く起きてきなさい。

遅刻するわよ」




いつもはありがたい母の言葉も、今の私には憂うつだった。




私はもう、夏希に取り憑かれてしまったのだろうか?




私は制服に着替え、スマホや財布を鞄に入れると、母がいるリビングに下りていった。