目が覚める。

「…ん、あれ?」

右手に違和感を感じて起き上がり、握られた手を開いてみると、そこには夢で見たまんまの御守があった。

天使様の言うとおり、御守がそこにはあった。

御守の裏には、「頑張れ」と糸で書かれていて、頬が緩んだ。

「美澄、早く準備しなさい!」

部屋の扉を挟んで話しかける母に適当に返事をして、急いで着替えて準備をする。

その後、朝食を食べて荷物をトラックに積んで、来てくれた友人に別れを告げた。

そこには菜摘と花梨の姿はなく、同じクラスの子の話によれば、急用が入ったそうだ。

本当に天使様の言うとおりになっていた。

少し驚いたけれど、それを包み隠して挨拶をしていった。

「バイバイ」

その言葉を最後に、友人たちに背を向け新しい地へと向かう。





そうして、私の人生をかけた友達探しが始まったのだ。