「朝起きたら、その御守が君の手の中にあるはずさ。
あと、この地域で一番仲が良かった、菜摘さんと花梨さんは、君の見送りには用事があると言って来ないだろう。
それを友達が教えてくれるんだ。
僕の言うとおりになったら、信じてもらえるかな?」
天使様の言葉に私はただただ頷いた。
一番仲が良かった人が見送りに来なかったら、というのはあってもおかしくないだろうが、
起きた時に夢で見た御守を握っていたら、それは信じるしかないだろう。
私は手の中の御守を見た。
初めて見るデザインで、きっとこの世のどこにも売っていない不思議な模様や文字がある。
「一応、たまには現状報告を聞きに来るけど、
もしも僕に会いたくなったら、その御守を枕元に置いて寝てね。」
ニコリと微笑んだ天使様が何か不思議な呪文を唱えると、私の視界がグニャリと歪んだ。
そして手を振る天使様の笑顔を最後に、
私は意識を手放した。