「まぁ…おまえには関係ないか…」


「なっ…!」



吐き捨てるような言い方に思わず横顔をじっと睨んだ。

だけどそんな俺の視線を知ってか知らずか、俯いたままその表情は悲しそうで一点を見つめたまま動かない。



「おまえは今の彩耶の姿しか知らないんだ…。記憶がないなんて聞かされてもよくわかんねぇだろうし」


「そんなこと…」


「俺は…俺は知っているんだ。彩耶の昔も今も…ずっと俺の中に残っているんだ…」



「………」



眉間にシワを寄せて唇を噛み締める姿がその言葉の重みを感じさせた。

だけど…