あんなに喋る奴だったか…?


そして菜央が背を向けた瞬間、またふわっとローズの香りがしてくるんだ。

それがまるで睡眠薬のように俺はすぐに眠ってしまった。



微かに聞こえる菜央がキッチンで料理する音。

鼻をかすめるローズの香り。


まるであのときに戻ったみたいだ…




~♪♪~♪♪~♪♪


けたたましく鳴り響く携帯の音で再び目が覚めた。




「……ん…」



目を閉じたまま枕元に置いていた携帯を手に取る。

…あれ?遠くで聞こえる。


今、目の前に携帯があるはずなのにその音はキッチンのほうから聞こえてきた。