「上がってもいい?」
菜央の見上げる瞳と合った。
「あ…あぁ……」
菜央が中に入るとふわっと香るローズの香り。
せっかく薄れたはずの香りがまた強く残ってしまう…。
「熱、何度あったの?」
玄関をを上がると俺の後ろをついてくる。
「8度…」
「え…ごめん。起こしちゃって…榛真は寝てて!」
慌てて俺の背中を押し、ベッドに入るよう促す。
「何も食べてないんでしょう?お粥なら食べれるよね?出来上がるまでゆっくり寝てて…」
ベッドに横になる俺に布団をかけながら、俺の相槌も聞かずに喋るとキッチンへと向かった。