「よし、じゃあ帰るか。」

「うん・・・。」

芽梨は、そっぽを向きながら少しうつむいてうなづいた。

「ん?」

俺は、眉を上げてそんな芽梨を見て首をかしげた。





「・・・。」

「・・・。」

俺と、芽梨は会話をすることなく道を歩いていた。

「・・・。」

俺は、ちらりと芽梨を見る。

芽梨は、俺の裾を握ったまま俺の少し後ろを歩いていた。

「なあ、芽梨。」

「な、何?」

「お前、さっきからどうしたんだよ。ずっと、黙ってるし、ずっと俺の裾とか握って・・・。まさか、さっきのホラー小説が怖すぎて俺からはなれたくないとか?」