理解ができない…




「知里…

キスしていい…?」



今まで聞いたことのない甘い声…






智哉となら、キスしても後悔しないかも…





思考回路はショートしてるのに、そんなことを思ってしまった…





私、すごく智哉のことが好きなんだ…






智哉が静香センパイを好きでも、それでもいい…





付き合っていなくてもいい…





コクリ…






自然と首が動いた…






智哉の顔が、ゆっくり、ゆっくり近付いてくる…






ギュッと目を閉じる…
















チュッ!





あれ…?





「ムリするなよ…」



指で私の目を拭う。



私、泣いてるの…?



智哉なら、後悔しないと思ったのに…




なんで…





「泣かれると思わなかった…

ごめん…

貸し【5】は、目のファーストキスでチャラ!

知里が好きになった人のためにとっておけ。

もう、こーゆーことしないから…」



髪を優しくなでると、ゆっくりと起き上がる。