「情けなくない!!」



自分でも驚くくらい、大きな声で言った。



ビクッとなる頭をまた、優しく撫でる。




「たぶん…

それが人を好きになるってことだよ。

好きになったら、感情で動いちゃうことだってあるんだよ…

私は、静香センパイのことでそんなふうになってくれた柳澤くんのことがかっこいいと思う」




泣きそうになったけど、私が泣くわけにいかない…



今、一番辛いのは私じゃない…





「…オレ、自分がわからなくなるってことが初めてで…

どーしていいかわからなくて…」




「きっと、それが好きな人を大切に想うってことなんだよ。

守りたい人がいるから、人は強くなるんだよ!

家族や友達と違う、好きな人を想うってことなんだよ」




きっとそーなんだ…




「…そっかっ…」


それだけ言うと、また何も話さなくなった…