静かに…



ゆっくり…




そっと、後ろから抱きしめた。




普段の私なら、絶対にやらないこと…




消えるような声を聞いたら、身体が勝手に動いてた…





守ってあげたい…




そう思った…






「ごめんね…

協力するって言ったのに…

静香センパイに好きな人がいるなんて気付かなくて…

一番最初に聞かなきゃいけないことなのに…」




頭に、おでこをコツンとあてる。



涙が落ちる。







返事はなかった…






「私、最初は柳澤くんが真剣だなんて思わなくて、だから協力なんてするもんかって思ってた…

でも、静香センパイを見る優しい顔を見てるうちに、柳澤くんならセンパイを幸せにしてくれるって思えるようになって…

センパイのこと、任せられるって思っていたのに…

ホントに、ごめんなさい。

ごめんなさい…」





どれだけ謝っても、許してもらえると思わなかったけど、謝りたかった。




嫌われたとわかっていても、今だけは一緒にいたかった…




ただ、一緒にいたかった…