廊下を走り抜け、自習室の前に来た。




球技大会あとで、今日は誰もいない。




自習室のドアに背を向けるように、座っている人影を見つけた。




「柳澤くん!」




派手な音を立てながらドアを開ける。






ビクッと肩をあげたが、振り向かない。





息を整えながら、ゆっくり近付いて行くと…






「来るなっ!!」




大声で怒鳴られる。



ビクッと立ち止まった。






「一人にしてくれ…」




絞り出すような声が、私の胸を熱く苦しくさせる…