私の右手を両手で握って、




その手を見つめたまま




「…今、柳澤くんと話してきた。

それから…大矢にも…



…やっぱり、フラれちゃったけど…


でも、伝えてよかった…」





手に、ぽたぽたと水滴が落ちる。





センパイは、呼吸を整えて





「今は、ちょっと辛いけど…

…これからも好きな気持ちを大切にしようって…

知里ちゃんが、勇気をくれたから…。

…ありがとう」




センパイは、ゆっくりだけど、きちんと伝えてくれた。






私は、手を離しセンパイに抱きついた。




「うぅ… せんぱぁ〜い…

…私は、センパイが一番大好きですから!

センパイには、私がいますから!」




静香センパイの肩が濡れる…





「…うん、うん、ありがとう…

わたしも知里ちゃん大好き…

…大矢の次に!」