「ありがとう…」 涙声が耳元に聞こえた。 「そうと決まれば、力を付けなきゃ! お弁当食べに行こ!」 私の手を引き立ち上がる。 その瞳には、一点の曇りもない。 「センパイ、そんな顔で行くんですか? 何事かと思われますよ!」 チャカすように、センパイを見る。 「知里ちゃんも同じ顔だから、恥ずかしくない!」 ニッコリと腕を組んで歩き出す。 センパイが笑っていてくれたら、私はそれでいい。 優しい気持ちが私を包んでいく。