「柳澤くんが大矢と試合するって聞いたとき、さっきのことが原因だってすぐわかった。


やめてもらわなきゃって走ったけど間に合わなくて…


試合を見てたら、やっぱりわたしは大矢のことしか見れなくて。



あの瞬間、負けちゃうと思ったら、




大矢の名前、呼んでた…




ごめん、知里ちゃん、




わたし、柳澤くんのこと、傷つけちゃった…



でも、気付いたの。



大也じゃないとダメなの…」




涙をポロポロこぼしながら、一生懸命に話してくれたら静香センパイ。








試合の後、昼休みになった。



わたしたちは、体育館裏の、倉庫前に居た。



遊実は気を利かせて、2人きりにしてくれた。



静香センパイに好きな人がいるなんて、全く気付かなかった…



私が、そのことをちゃんと聞いていれば、柳澤くんを傷つけることはなかったのに…



協力することが嬉しくなってて、柳澤くんをあおったりして…




一番悪いのは、私だ…。