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「ここからは、知里ちゃんも知ってると思うけど、どんどん柳澤くんと仲良くなって。



一緒にいると楽しかったし、何より気持ちが穏やかだった。




でも、いつも大矢と重ねて見てた。


柳澤くんの気持ちも、自惚れかもって思いながら、なんとなく気付いてて…




王子様なんて呼ばれる子と一緒にいられる優越感に浸っていたのもあったのかも。



この子と付き合ったら、わたしは幸せなんじゃないかって思ってた。



好きになろうって思った…。



でも、体育館の横を通るたび…




ボールの音を聞くだけで、



バスケをしてる大矢の姿が浮かんできて…



どーしようもなく、切なくなって、胸がざわつくの。




大矢の姿を見たくなるの…」