「好きになってくれたら…」




え………?




自分で自分の言葉に驚く。




今、何を言ったの?







パッと、口を押さえた。





でも、言葉になってしまったものは取り消せない。





なんてこと言っちゃったんだろう…




頭が真っ白になる。





どーしよう、どーしよう…





「それって、どーゆー意味?」


眉間にシワを寄せて、見られる。




何か言わなきゃ、何か…




「… 好きになってくれたら…


そっ、そう!


友達として、好きになってくれたら呼んでもいいかなぁって…」




顔が燃えるように熱い。




手を頬に当て、落ち着かせる。




ごっ、ごまかせたかなぁ?






「なーんだ!

そーゆーことか。

なら、今から友達として好きになるから、呼んで!」


眉間のシワはなくなり、ニッコリと笑顔になった。




あぁ、よかった!



なんとか、なったみたい…。




「わかった!

…大矢!」




半ば、ヤケクソ!



「じゃ、オレは静香って呼ぶから、よろしく!」



「えっ、わたしも名前?!」

「あったりまえだろ!

友達として、好きになったんだからさっ。

静香、暗いし送って行こうか?」





わっ、ホントに呼んだよ!




しかも、すごく自然…




女のコの名前を呼ぶなんて、三浦くんからしたらフツーなんだろうな…