ドサッと教室に資料を置くと



「これで終わり?」




「うん。

三浦くん、ホントにありがと。

助かりました」







この1年、同じクラスだったのにたいした接点もなかったのに…。





「どーいたしまして。

だけど、みんな大矢って呼ぶのに、吉雪さんだけは、呼んでくれないんだなっ」





トントンと資料を整えながら、少し悲しそうな顔。



その顔が可愛くて、愛おしく思ってしまう。




「あっ、あぁ…うん…

そんな話したこともないのに、馴れ馴れしいかなぁって…」




「知らない奴まで、呼んでるし!

じゃあ、今話したから、もう呼べるよなっ?」





無邪気な笑いがわたしに向けられた。





「えーーー?!

それは、ムリだよ!」



両手を振る。



「じゃあ、どーしたら呼んでくれる?」




可愛く覗き込まれて…





わたしの心は、三浦くんでいっぱいになっていた…




今まで溜めていた想いが、どんどん溢れてきて…







ついに、溢れ出した…