「…」


目が覚めると知らないビルにいた

「ここどこだよ…なんでだれもいねーんだよ…。」

「それより…」



「俺誰だよっっっ!!?!???」

ここがどこかすらもわからないのに、自分の名前が何かも思い出せない。

『おい』

ふと、後ろから声が聞こえた気がした。
気のせいだろう。

『…おいって。』

また聞こえた。

『なぁ!!!』

肩をつかまれた。
ここでやっと人がいることにきづく。
さっきまで誰もいないと思っていたのに。

「は、はい」

『お前…』

「なんですか?」

『…いや、なんでもない』

(絶対なんかあるだろ)

『…とりあえずここからでてけ。』

(でてけと言われても行くあてもないんだが…)

「な、なんでですか?」

『いいから出てけ!!』

「は、はいぃぃ!」


勢いで飛び出してきてしまった。
が、ここはどこなのか。わからない。

(戻ってみよーかなーっと)

戻るとそこにはやはり先ほどの人物がいた。

『なんで戻ってくんだよ…』

「…」

…しばしの沈黙

『…まあいい。それよりお前、名前は?』

「な、名前ですか?俺の名前は…」

そうだった。
名前わからないんだった。

『どうした?』

「えーっと…その…名前…わからないん…ですよねー…」

『は?自分の名前がわからない?』

「はい。」

『はぁ。そうか。俺の名前は雨野月哉(あまのつきや)。』

雨野という名前に聞き覚えがある気がした。

「…雨野さんって呼んでいいですか?」

『勝手に呼べ』

「はい。じゃあ雨野さん、俺、ここがどこかもわかってなくて…よかったら教えてもらえたらなーなんて…」

『…しょーがねぇな。いいよ。このへんのこと、教えてやるよ。』

「本当ですか!!よかったー」

こうして俺は雨野月哉という男性と行動を共にすることになった。